「歩き始めの一歩が特に痛い」「長時間立っていると土踏まずがズキズキする」「朝起きた時に足の裏がこわばって痛む」など、歩くと土踏まずに痛みを感じるという悩みは、年齢や性別を問わず多くの方が経験する可能性があります。この土踏まずの痛みは、足のアーチ構造の異常や、足底の筋肉や腱の炎症などが主な原因として考えられます。最も代表的な原因疾患の一つが「足底筋膜炎(そくていきんまくえん)」です。足底筋膜は、かかとから足の指の付け根にかけて扇状に広がっている強靭な腱組織で、足のアーチを支え、歩行時の衝撃を吸収する重要な役割を担っています。この足底筋膜に過度な負担がかかったり、繰り返し微細な損傷が加わったりすることで炎症が起こり、痛みが生じます。特に、かかとのやや内側や土踏まずの部分に痛みが出やすく、朝起きた時の一歩目や、長時間座っていて動き始めの際に強い痛みを感じるのが特徴です。次に、「扁平足(へんぺいそく)」も土踏まずの痛みの原因となります。扁平足は、足の縦アーチ(土踏まずを形成するアーチ)が低下し、足の裏全体が地面に接してしまう状態です。アーチが潰れることで、足底筋膜や周囲の筋肉、靭帯に過剰なストレスがかかり、炎症や痛みを引き起こしやすくなります。また、「外反母趾(がいはんぼし)」や「内反小趾(ないはんしょうし)」といった足の指の変形も、足裏のバランスを崩し、間接的に土踏まずに負担をかけて痛みの原因となることがあります。さらに、稀ではありますが、「足根管症候群(そっこんかんしょうこうぐん)」という、足首の内側で神経が圧迫されることによって、足の裏や土踏まずにしびれや痛みが起こる疾患や、疲労骨折、あるいは関節炎(リウマチなど)が原因となることもあります。これらの原因は、長時間の立ち仕事、急な運動量の増加、合わない靴の使用、体重増加、加齢による筋力低下など、様々な要因が複合的に関与して発症することが多いです。
歩くと土踏まずが痛い!考えられる主な原因とは