下痢の症状が現れた時、一般的な内科と、より専門的な消化器内科、どちらを受診すれば良いのか迷うことがあるかもしれません。症状の状況や他の随伴症状によって、適切な受診先を選ぶことが、早期の診断と治療に繋がります。まず、一般的な内科は、風邪やインフルエンザといった急性の感染症に伴う下痢や、比較的症状が軽い食あたり、あるいは原因がはっきりしない初期の下痢症状などの場合に、最初の相談窓口として適しています。内科医は、問診や診察を通じて、下痢の原因を大まかに判断し、整腸剤や水分補給の指示といった対症療法を行います。また、必要に応じて血液検査や便培養検査などを行い、感染性の胃腸炎かどうかを調べます。もし、症状が重い場合や、専門的な検査・治療が必要と判断された場合には、消化器内科などの専門科へ紹介してくれます。一方、消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸といった消化管の病気を専門とする診療科です。以下のような場合は、消化器内科の受診を検討しましょう。下痢が長期間(例えば、2週間以上)続いている「慢性下痢」の場合。血便(便に血が混じる)や粘血便(粘液と血液が混じった便)が見られる場合。激しい腹痛や高熱を伴う下痢の場合。原因不明の体重減少がある場合。過去に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)や大腸がんなどの消化器系の病気を指摘されたことがある場合。過敏性腸症候群(IBS)のように、ストレスとの関連が強く、下痢と便秘を繰り返すような場合。これらの場合、消化器内科では、より詳細な問診や診察に加え、内視鏡検査(大腸カメラなど)や生検(組織の一部を採取して調べる検査)、画像検査(CTやMRIなど)といった専門的な検査を行い、原因を特定し、それぞれの疾患に応じた専門的な治療(薬物療法や栄養療法、場合によっては手術など)を行います。どちらの科を受診するか迷う場合は、まずは症状の程度や持続期間、そして他に気になる症状がないかを考慮し、判断に困るようであれば、かかりつけ医に相談するのが良いでしょう。
内科?消化器内科?下痢の症状別受診先