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保育園のプール活動で起きた手足口病の感染事例
ある地方の保育園で発生した手足口病の集団感染事例は、プール活動と感染拡大の相関関係を示す典型的なケースとなりました。発端は、週末に微熱があった一人の園児が、週明けに解熱したとして月曜日のプール活動に参加したことでした。その時点では、その園児に目立った発疹はなく、単なる風邪の治りかけと判断されていました。しかし、その日の午後から園児の足と口内に発疹が現れ、手足口病であることが判明しました。園は即座にその園児を隔離しましたが、その三日後から同じクラスの子供たちが次々と発症し、最終的にクラスの約半数が感染するという事態に至りました。この事例を詳細に分析したところ、感染経路はプールの水そのものではなく、更衣室での密接な接触とタオルの取り違えにあったことが推測されました。狭い空間で複数の子供たちが同時に着替えを行い、濡れた体が触れ合う中で、発疹が出る直前の高いウイルス量を保持していた園児から周囲へ伝播したと考えられます。また、活動後に用意されていた共通のバケツで足を洗ったことも、接触感染を助長した一因となりました。この事態を受けて、園では一時的にプール活動を中止し、施設内と遊具の徹底的な消毒を行いました。再開にあたっては、学年ごとにプールに入る時間を完全に分ける、着替えを広いホールで行う、タオルの管理を個別に徹底するといった新しい運用ルールが導入されました。この事例は、本人が無症状であっても感染源になり得ること、そしてプールの水以外の場面にこそ、より深刻な感染リスクが潜んでいることを教育現場に突き付けました。教訓として、流行期においては普段以上に慎重な体調確認を行い、疑わしい症状がある場合は集団活動を控えるという共通認識を、保護者と園の間で再確認することの重要性が浮き彫りになりました。