坐骨神経痛の疑いで医療機関を受診する際、医師に自分の症状や状況を的確に伝えることは、正確な診断と適切な治療を受けるために非常に重要です。しかし、いざ診察室に入ると緊張してしまったり、何を伝えれば良いのか分からなくなってしまったりすることもあるでしょう。事前に伝えるべきポイントを整理し、準備をしておくことで、スムーズなコミュニケーションに繋がります。まず、最も重要なのは「いつから、どの部位が、どのように痛む(しびれる)のか」です。症状が始まった正確な時期、痛む(しびれる)場所(お尻のどのあたり、太ももの裏側、ふくらはぎの外側、足の甲、足の指など、具体的に)、痛みの性質(ズキンズキン、ピリピリ、チクチク、ジンジン、焼けるような、電気が走るような、重だるい、感覚が鈍いなど)、痛みの強さ(日常生活への支障度、夜も眠れないほどかなど)を伝えましょう。次に、「どのような時に症状が強くなり、どのような時に和らぐのか」も大切な情報です。例えば、「長時間座っていると痛む」「歩き始めると痛いが、しばらくすると楽になる(間歇性跛行の有無)」「前かがみになると楽になる」「安静にしていても痛い」「特定の動作をすると激痛が走る」など、具体的な状況を伝えましょう。また、「症状が現れる前に何かきっかけがあったか」も伝えましょう。例えば、重い物を持ち上げた、無理な姿勢をとった、スポーツをした、転倒したなど、思い当たることを伝えます。そして、「痛みやしびれ以外に何か症状があるか」も忘れずに伝えましょう。足の力が入らない(脱力感)、感覚が鈍い、触っても感じにくい、逆に過敏になっている、足が冷たい、排尿や排便の異常(尿が出にくい、便秘、失禁など)といった症状があれば、それが診断の手がかりとなることがあります。過去の病歴や現在治療中の病気(特に糖尿病、高血圧、腰椎の病気など)、手術歴、服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)、アレルギーの有無、喫煙歴、飲酒歴、職業、生活習慣(運動習慣、ストレスの状況など)なども、医師にとっては重要な情報です。これらの情報をメモにまとめて持参すると、伝え忘れを防ぐことができます。