耳の中がかゆくて、つい耳掃除をしてしまう。そして、耳掃除をすると一時的にかゆみが治まるけれど、またすぐにかゆくなって、さらに耳掃除をしてしまう…。このような「かゆみと耳掃除の負のループ」に陥っていませんか。実は、耳掃除のしすぎが、かえって耳のかゆみを悪化させる原因となっていることが少なくありません。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。まず、耳垢には、外耳道の皮膚を保護し、潤いを保つ役割があります。耳掃除をしすぎて耳垢を完全に取り除いてしまうと、外耳道の皮膚が乾燥しやすくなり、外部からの刺激に敏感になります。乾燥した皮膚はかゆみを感じやすいため、これがかゆみの原因となります。そして、かゆいからといって綿棒や耳かきでこすると、デリケートな外耳道の皮膚をさらに傷つけてしまい、炎症(外耳道炎や外耳道湿疹)を引き起こします。炎症が起こると、かゆみはさらに強くなり、また耳掃除をしてしまう…という悪循環に陥るのです。また、耳掃除の際の物理的な刺激そのものが、かゆみを誘発したり、皮膚のバリア機能を低下させたりすることもあります。特に、アレルギー体質の人や、アトピー性皮膚炎のある人は、皮膚が敏感なため、耳掃除による刺激でかゆみが出やすく、炎症も起こしやすい傾向があります。この負のループを断ち切るためには、まず、耳掃除の頻度と方法を見直すことが大切です。耳掃除は、月に1~2回程度、耳の穴の入り口付近の見える範囲だけを優しく行うようにし、奥までこすったり、頻繁に行ったりするのはやめましょう。そして、もし耳にかゆみがある場合は、自己判断で耳掃除を繰り返すのではなく、耳鼻咽喉科を受診することが重要です。医師は、かゆみの原因を特定し(例えば、外耳道炎、外耳道湿疹、真菌感染、アレルギーなど)、適切な治療法(点耳薬や内服薬など)を処方してくれます。かゆみの原因が治療されれば、耳掃除をしたいという欲求も自然と減っていくはずです。つらいかゆみから解放されるためには、まず「耳掃除をしすぎない」という意識を持つことが第一歩です。
耳掃除しすぎでかゆみが悪化?負のループに注意