歩くと土踏まずに痛みを感じる場合、その原因を特定し、適切な治療を受けるためには、どの診療科を受診すれば良いのでしょうか。足の痛みや不調を専門的に診察するのは、主に「整形外科」です。整形外科医は、骨、関節、筋肉、靭帯、腱といった運動器系の疾患を専門としており、土踏まずの痛みの原因となる足底筋膜炎、扁平足、アキレス腱炎、関節炎、疲労骨折など、様々な疾患の診断と治療を行います。診察では、まず問診で症状の出現時期、痛みの性質や程度、どのような時に痛むか、過去のケガや病気の有無、生活習慣(スポーツ歴、仕事内容、履いている靴など)などを詳しく聞き取ります。次に、視診や触診で、足の形状(アーチの高さ、指の変形など)、腫れや熱感の有無、圧痛点(押すと痛む場所)などを確認します。必要に応じて、レントゲン検査(X線検査)を行い、骨の異常(骨棘:とげのような骨の出っ張り、疲労骨折など)がないかを調べます。超音波検査(エコー検査)は、足底筋膜の厚さや炎症の程度、アキレス腱の状態などを評価するのに有用です。MRI検査は、より詳細な軟部組織(筋肉、腱、靭帯など)の状態や、稀な疾患(腫瘍など)の鑑別に役立つことがあります。これらの検査結果と臨床所見を総合的に判断し、診断を下します。もし、かかりつけの内科医や接骨院・整骨院の先生がいる場合は、まずはそこで相談してみるのも一つの方法です。初期的な評価や応急処置をしてもらい、必要であれば整形外科への紹介状を書いてもらえることもあります。ただし、接骨院や整骨院では、レントゲン検査などの画像診断や薬の処方は行えません。また、近年では「足の外科」を専門とする整形外科医や、「フットケア外来」を設けている医療機関も増えています。これらの専門外来では、より専門的な知識と経験に基づいた診断と治療(カスタムメイドのインソールの作製、専門的なリハビリテーションなど)を受けることが期待できます。特に、症状が長引いている場合や、複数の足のトラブルを抱えている場合には、このような専門機関の受診も検討してみると良いでしょう。