子供の「ものもらい(麦粒腫や霰粒腫)」の症状が非常に軽く、眼科医からも経過観察で良いと言われた場合や、すぐに受診できない状況で少しでも症状を和らげたいと考える場合、家庭でできるケアにはどのようなものがあるのでしょうか。ただし、これらのケアはあくまで補助的なものであり、症状が悪化したり長引いたりする場合には、必ず眼科を受診することが前提です。まず、最も重要なのは「まぶたを清潔に保つ」ことです。子供は無意識に目をこすったり触ったりしやすいため、保護者の方が注意して見てあげることが大切です。汚れた手でまぶたを触ると、細菌感染を悪化させたり、新たな感染を引き起こしたりする可能性があります。手をこまめに洗う習慣をつけさせ、できるだけ目を触らないように言い聞かせましょう。次に、症状に応じた「温めるケア」または「冷やすケア」です。「麦粒腫」で赤く腫れて熱感があり、ズキズキと痛むような急性炎症の初期には、冷たいタオルなどで軽く冷やすと、炎症や痛みが和らぐことがあります。ただし、冷やしすぎは血行を悪くする可能性もあるため、短時間にとどめましょう。一方、「霰粒腫」でしこりが主体の症状の場合や、麦粒腫でも膿が固まってなかなか排出されないような場合には、温かいタオルなどでまぶたを優しく温める「温罨法」が効果的なことがあります。温めることでマイボーム腺の詰まりが解消されやすくなったり、血行が促進されて炎症物質の排出が促されたりすると考えられています。ただし、急性炎症が強い時期に温めると、かえって炎症を悪化させることもあるため、医師の指示がない場合は慎重に行いましょう。また、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、体の免疫力を高めることも、治癒を助ける上で大切です。市販の抗菌目薬を使用することについては、自己判断は避けるべきです。ものもらいの種類や原因菌によっては効果がないばかりか、アレルギー反応などを引き起こす可能性もあります。必ず眼科医の診察を受け、処方された薬剤を使用するようにしてください。そして、最も重要なのは、症状の変化を注意深く観察することです。腫れや赤みがひどくなる、痛みが強くなる、視力に影響が出るような場合は、すぐに眼科を受診しましょう。
ものもらい自然治癒を期待する場合の家庭でのケア