包丁やカッター、ガラスなどで指を切ってしまい、医療機関を受診する際、医師にケガの状況や症状を的確に伝えることは、正確な診断と適切な治療を受けるために非常に重要です。しかし、痛みや出血で動揺していると、何を伝えれば良いのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。事前に伝えるべきポイントを整理し、準備をしておくことで、スムーズなコミュニケーションに繋がります。まず、最も重要なのは「いつ、どこで、何で、どのように切ったのか(受傷機転)」です。ケガをした正確な日時、場所、何を使って(包丁、カッター、ガラス、機械など)、どのように(滑って、誤って、など)切ってしまったのかを具体的に伝えましょう。切った物の清潔度(例えば、錆びていたか、汚れていたかなど)も重要な情報です。次に、「現在の症状」を詳しく説明します。出血の程度(すぐに止まったか、まだ続いているか、噴き出すような出血かなど)、痛みの強さ、傷の深さや大きさ(おおよそで構いません)、指が動かせるか、感覚がおかしい(しびれや感覚鈍麻など)部分はないかなどを伝えます。また、「応急処置の内容」も伝えましょう。自分で傷口を洗ったか、圧迫止血をしたか、消毒薬を使ったか、絆創膏を貼ったかなどを具体的に説明します。そして、「これまでに大きなケガや手術をしたことがあるか、アレルギーの有無(特に麻酔薬や抗菌薬など)、現在治療中の病気(特に糖尿病や血液をサラサラにする薬を飲んでいるなど)、破傷風の予防接種の状況」なども、医師にとっては重要な情報です。服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)があれば、お薬手帳などを持参すると良いでしょう。利き手かどうかも伝えておくと、治療方針やその後のリハビリテーション計画を立てる上で参考になります。もし、切断された指の一部がある場合は、それを清潔なガーゼなどで包み、ビニール袋に入れて密封し、さらに氷水を入れた袋や容器に入れて冷やしながら持参します(ただし、直接氷に触れさせないように注意)。これらの情報を落ち着いて伝えることで、医師は迅速かつ適切な判断を下すことができます。