喉の奥に熱のない水ぶくれを見つけても、すぐに医療機関を受診できない場合や、症状が非常に軽い場合には、何か自分でできる対処法はないかと考えるかもしれません。しかし、原因が特定できていない段階での自己判断による対処は、症状を悪化させたり、診断を遅らせたりする可能性もあるため、慎重に行う必要があります。まず、基本的なこととして、喉に刺激を与えないように心がけることが大切です。喫煙や飲酒は、喉の粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があるため、できる限り控えましょう。香辛料の多い刺激物や、熱すぎるもの、硬い食べ物なども避けた方が無難です。喉を乾燥させないように、こまめに水分を補給することも重要です。部屋の湿度を適切に保つために、加湿器を使用するのも良いでしょう。うがいは、口腔内や喉を清潔に保ち、細菌やウイルスの増殖を抑える効果が期待できます。ただし、刺激の強いうがい薬を頻繁に使用すると、かえって粘膜を傷めることもあるため、水や薄めた塩水、あるいは刺激の少ない市販のうがい薬を優しく行う程度にしましょう。十分な睡眠を取り、バランスの取れた食事を心がけ、ストレスを溜めないようにすることも、体の免疫力を高め、自然治癒力をサポートする上で役立ちます。もし、水ぶくれに痛みがある場合は、市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)を一時的に使用することも考えられますが、これはあくまで対症療法であり、根本的な解決にはなりません。絶対にやってはいけないのは、水ぶくれを自分で潰そうとしたり、無理に何かで触ったりすることです。細菌感染を引き起こし、症状を悪化させる原因となります。これらのセルフケアは、あくまで症状を悪化させないための一時的な対応であり、医療機関を受診するまでのつなぎと考えるべきです。特に、症状が数日経っても改善しない、悪化する、他の症状(痛み、飲み込みにくさ、声のかすれなど)が現れる、あるいは不安が大きいといった場合には、自己判断を続けずに、速やかに耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。