子供のまぶたが赤く腫れて痛む麦粒腫(ものもらいの一種)は、細菌感染によって起こる急性の炎症です。保護者の方としては、「自然に治るのだろうか?」「どのくらいの期間で治るのだろうか?」といった点が気になることでしょう。結論から言うと、麦粒腫は軽症であれば自然に治癒することもあります。私たちの体には免疫機能が備わっており、細菌感染に対して白血球などが戦い、炎症を抑えようとします。初期の段階で、炎症がそれほど強くなく、細菌の増殖も軽度であれば、体の抵抗力だけで治ってしまうケースも確かに存在します。特に、まぶたの表面に近い外麦粒腫で、膿が自然に排出されれば、症状が急速に改善することもあります。自然治癒する場合の期間は、症状の程度や子供の免疫力によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度で腫れや痛みが引いていくことが多いでしょう。しかし、全ての場合で自然治癒が期待できるわけではありません。炎症が強い場合や、細菌の勢いが強い場合、あるいは子供の免疫力が低下している場合には、自然治癒が難しく、症状が悪化したり長引いたりする可能性があります。例えば、腫れがますますひどくなる、痛みが強くて目を開けられない、膿がなかなか排出されない、発熱を伴うといった場合には、自然治癒を待つのは適切ではありません。また、内麦粒腫のようにまぶたの深い部分に炎症がある場合は、膿が自然に排出されにくく、治癒までに時間がかかったり、慢性化したりすることもあります。さらに、不適切な自己判断で放置したり、汚れた手で触ったりすると、かえって細菌感染を広げてしまったり、別の合併症を引き起こしたりするリスクもあります。したがって、子供が麦粒腫になった場合、基本的には眼科を受診し、医師の診断と指示を仰ぐことが推奨されます。医師は、症状の程度を評価し、必要に応じて抗菌薬の点眼薬や眼軟膏、場合によっては内服薬を処方します。適切な治療を行うことで、より速やかな治癒と合併症の予防が期待できます。