妊娠中は、ホルモンバランスの変化や鉄欠乏、葉酸欠乏などが原因で、むずむず脚症候群を発症したり、元々あった症状が悪化したりすることが比較的よくあります。特に妊娠中期から後期にかけて症状が現れやすいと言われています。妊娠中の不快な脚の症状は、ただでさえ負担の大きい妊婦さんにとって、さらなるストレスや睡眠不足を引き起こし、心身の健康に影響を与える可能性があります。では、妊娠中にむずむず脚症候群のような症状が現れた場合、何科に相談すれば良いのでしょうか。まず、最も身近な相談相手となるのは、定期的に健診を受けている「産婦人科医」です。産婦人科医は、妊娠中の母体の状態を総合的に把握しており、むずむず脚症候群の症状についても相談に乗ってくれます。妊娠中の鉄欠乏はむずむず脚症候群の大きな原因となるため、血液検査で貧血や鉄の状態を確認し、必要であれば鉄剤や葉酸サプリメントの処方をしてくれるでしょう。多くの場合、鉄分の補給によって症状が改善することが期待できます。また、産婦人科医から、睡眠環境の整備や就寝前の軽いストレッチ、カフェイン摂取の制限といった生活上のアドバイスを受けることもできます。もし、産婦人科での対処だけでは症状の改善が難しい場合や、症状が非常に重く日常生活に大きな支障が出ている場合には、産婦人科医から「神経内科」や「睡眠専門外来」といった専門診療科へ紹介されることもあります。これらの専門科では、より詳細な診断と、妊娠中でも比較的安全に使用できる可能性のある薬剤(例えば、一部のドパミンアゴニストなど、リスクとベネフィットを慎重に比較検討した上で)の処方を検討することがあります。ただし、妊娠中の薬物療法は、胎児への影響を考慮し、非常に慎重に行われるべきであり、必ず専門医の指導のもとで行われます。自己判断で市販薬を使用したり、以前処方された薬を服用したりすることは絶対に避けましょう。妊娠中のむずむず脚症候群は、多くの場合、出産後に自然に軽快する傾向がありますが、症状が辛い場合は我慢せずに、まずはかかりつけの産婦人科医に相談することが大切です。
妊娠中のむずむず脚症候群は何科に相談?