坐骨神経痛のつらい症状を和らげ、再発を予防するためには、医療機関での治療と並行して、日常生活でのセルフケアも非常に重要です。ただし、これらのセルフケアは、必ず医師の診断と指導のもとで行い、自己判断で無理なことをするのは避けましょう。まず、痛みが強い急性期には、安静を心がけることが大切です。無理に動いたり、痛みを我慢して仕事を続けたりすると、症状が悪化する可能性があります。楽な姿勢で休み、患部に負担をかけないようにしましょう。コルセットや腰痛ベルトを一時的に使用するのも、腰椎の安定性を高め、痛みを軽減するのに役立つことがあります。ただし、長期間の使用は筋力低下を招く可能性があるため、医師の指示に従いましょう。炎症や痛みを和らげるために、湿布(温湿布または冷湿布)を使用するのも一つの方法です。急性期で熱感がある場合は冷湿布、慢性期で血行を良くしたい場合は温湿布が良いとされていますが、どちらが心地よいかで選んでも構いません。ただし、皮膚がかぶれやすい人は注意が必要です。次に、日常生活での姿勢や動作の改善も重要です。長時間同じ姿勢でいること(特に座りっぱなしや立ちっぱなし)を避け、こまめに体勢を変えたり、軽いストレッチをしたりしましょう。物を持ち上げる時は、膝を曲げて腰を落とし、体に近づけて持ち上げるようにします。猫背や反り腰といった不良姿勢は、腰椎への負担を増やすため、正しい姿勢を意識することが大切です。適度な運動も、筋力維持や血行促進、ストレス解消に繋がり、坐骨神経痛の予防・改善に役立ちます。ウォーキングや水泳、ストレッチ、体幹トレーニングなどが推奨されますが、痛みが強い時は無理をせず、医師や理学療法士に相談しながら行いましょう。体を冷やさないことも大切です。冷えは血行を悪くし、筋肉を硬くするため、痛みを悪化させることがあります。入浴で体を温めたり、腹巻きやカイロなどを活用したりしましょう。そして、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、ストレスを溜めないようにすることも、体の回復力を高める上で重要です。
坐骨神経痛セルフケアでできることと注意点