耳掃除のしすぎは耳のトラブルの原因となるため、正しい方法と頻度で行うことが大切です。では、どのように耳掃除をすれば、耳を傷つけずに、かつ清潔を保つことができるのでしょうか。まず、耳掃除の範囲ですが、基本的には耳の穴の入り口から1センチ程度の、見える範囲だけで十分です。耳の奥深くにある耳垢は、自然に外側へ排出されるため、無理に取ろうとする必要はありません。むしろ、奥まで綿棒や耳かきを挿入すると、耳垢を押し込んだり、外耳道や鼓膜を傷つけたりする危険性があります。使用する道具としては、綿棒または耳かきがありますが、どちらを使用する場合も、力を入れすぎず、優しく行うことが重要です。綿棒を使用する場合は、乾いた綿棒で、耳の穴の入り口付近の見える範囲の耳垢を、そっと拭い取るようにします。奥までグリグリとこすったり、回転させたりするのは避けましょう。耳かきを使用する場合は、先端が細すぎない、丸みのあるものを選び、これも耳の穴の入り口付近の見える範囲の耳垢を、そっと掻き出すようにします。耳かきを奥まで挿入するのは非常に危険です。耳掃除を行うタイミングとしては、お風呂上がりがおすすめです。耳の中が湿っていて、耳垢が少し柔らかくなっているため、取りやすくなっています。ただし、水分が残っている状態で耳掃除をすると、外耳道が蒸れて真菌(カビ)が繁殖しやすくなることもあるため、耳掃除の後は、ティッシュペーパーをこより状にしたものなどで、耳の穴の入り口付近の水分を優しく吸い取るようにしましょう。耳掃除の頻度は、前述の通り、月に1~2回程度で十分です。毎日のように行う必要はありません。もし、耳垢が多量に溜まっていて自分では取りきれない、耳の詰まり感や聞こえにくさがある、あるいは耳にかゆみや痛みがあるといった場合は、自己判断で無理に耳掃除をせず、耳鼻咽喉科を受診しましょう。専門医が、安全かつ確実に耳垢を除去してくれます。
正しい耳掃除の方法と注意点しすぎを防ぐ