夏の暑い時期に、だるさや頭痛、鼻水、咳といった症状が現れると、「これはエアコン病(クーラー病)?それとも夏風邪?」と見分けに迷うことがあります。どちらも夏特有の体調不良ですが、原因や対処法が異なるため、その違いを理解しておくことが大切です。まず、エアコン病の主な原因は、冷房による体の冷えすぎや、室内外の急激な温度差による自律神経の乱れです。一方、夏風邪は、主に夏場に活動が活発になるウイルス(アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスなど)の感染によって起こります。症状の現れ方にも違いが見られることがあります。エアコン病の症状は多岐にわたり、全身倦怠感、疲労感、頭痛、肩こり、腰痛、手足の冷え、むくみ、食欲不振、下痢、便秘、鼻水、咳、喉の痛み、めまい、不眠、イライラ感など、比較的慢性的にだらだらと続くことが多いのが特徴です。発熱はあっても微熱程度で、高熱が出ることは稀です。一方、夏風邪の場合は、発熱(時には高熱)、喉の痛み、咳、鼻水といった呼吸器症状が比較的はっきりと現れ、数日から一週間程度でピークを越えて回復に向かうことが多いです。また、腹痛や下痢、嘔吐といった消化器症状を伴うこともあります(いわゆる「お腹の風邪」)。見分けるポイントとしては、まず、症状が冷房の効いた環境に入ると悪化したり、屋外に出ると少し楽になったりする場合は、エアコン病の可能性が高いと考えられます。また、周囲に同じような症状の人がいないかどうかも手がかりになります。夏風邪は感染症なので、家族や職場で流行していることがあります。ただし、これらの違いだけで自己判断するのは難しく、特に高熱が続く場合や、呼吸器症状が強い場合は、他の感染症や重篤な疾患の可能性も否定できません。気になる症状があれば、早めに医療機関(内科など)を受診し、医師の診察を受けることが大切です。医師は、症状の経過や診察所見、必要に応じて検査などを行い、適切な診断と治療法を判断してくれます。
エアコン病と夏風邪の見分け方と注意点