リンパ節が腫れて痛むリンパ節炎。いざ医療機関を受診しようと思った時、内科と耳鼻咽喉科、どちらが良いのか迷うことがあるかもしれません。それぞれの診療科の役割と特徴を理解し、適切な受診先を選ぶことが大切です。まず、内科は、体の内部の病気全般を幅広く診療する科です。リンパ節炎の原因は、局所的な感染症だけでなく、ウイルス感染症(例えば、伝染性単核球症など)や、稀ですが自己免疫疾患(膠原病など)、あるいは悪性リンパ腫といった全身性の疾患である可能性も考慮する必要があります。内科医は、これらの全身的な視点から原因を特定し、必要な検査(血液検査、画像検査など)を行い、適切な治療方針を立てます。特に、原因がはっきりしないリンパ節の腫れや、複数の部位のリンパ節が腫れている場合、あるいは発熱や体重減少、寝汗といった全身症状を伴う場合は、内科での総合的な評価が重要になります。次に、耳鼻咽喉科は、耳、鼻、喉、そして頸部(首)の病気を専門とする診療科です。リンパ節炎の中でも、特に首のリンパ節(頸部リンパ節)の腫れや痛みが主な症状である場合に、耳鼻咽喉科が専門的な対応をします。頸部リンパ節炎の原因の多くは、風邪や扁桃炎、中耳炎、副鼻腔炎、虫歯や歯周病といった、耳・鼻・喉・口腔内の感染症です。耳鼻咽喉科医は、これらの部位を専用の器具(喉頭鏡やファイバースコープなど)を用いて詳しく診察し、原因となっている感染源を特定し、それに対する治療(抗菌薬の処方や処置など)を行います。また、頸部の腫瘍(良性・悪性)との鑑別も行います。どちらの科を受診するか迷う場合は、まず、腫れているリンパ節の場所と、他の症状に注目してみましょう。首のリンパ節の腫れが主で、喉の痛みや鼻水、耳の痛みといった耳鼻咽喉科領域の症状がある場合は耳鼻咽喉科。原因がはっきりしない、全身のリンパ節が腫れている、あるいは全身症状が強い場合は内科、という大まかな目安があります。かかりつけ医に相談して紹介してもらうのも良いでしょう。