むずむず脚症候群の症状は、様々な要因によって悪化することが知られています。これらの悪化要因を理解し、日常生活で可能な限り避けるように努めることは、症状のコントロールにおいて非常に重要です。まず、最も一般的な悪化要因の一つが「カフェイン」の摂取です。コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、栄養ドリンク、チョコレートなどに含まれるカフェインは、中枢神経を興奮させる作用があり、むずむず脚症候群の症状を誘発したり悪化させたりする可能性があります。特に夕方以降のカフェイン摂取は控えるようにしましょう。次に、「アルコール」の摂取も症状を悪化させることがあります。飲酒直後は一時的に眠気を誘うかもしれませんが、睡眠の質を低下させ、夜間の覚醒を増やし、結果としてむずむず脚症候群の症状を悪化させる可能性があります。また、「喫煙」もニコチンの中枢神経刺激作用により、症状を悪化させる要因となり得ます。禁煙は、むずむず脚症候群だけでなく、全身の健康にとっても有益です。「特定の薬剤」の服用も、症状を悪化させることがあります。例えば、一部の抗うつ薬(特にSSRI)、抗ヒスタミン薬(市販の風邪薬やアレルギー薬に含まれることが多い)、制吐剤(吐き気止め)などが、むずむず脚症候群の症状を誘発したり悪化させたりすることが報告されています。現在服用中の薬がある場合は、自己判断で中止せず、必ず医師や薬剤師に相談し、影響の少ない薬剤への変更が可能かどうか検討してもらいましょう。また、「過度の疲労」や「睡眠不足」も、症状を悪化させる可能性があります。規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保することが大切です。日中の「長時間の座位や安静」も、夕方以降の症状を悪化させやすいです。適度に体を動かしたり、休憩を挟んだりする工夫が必要です。逆に、「激しすぎる運動」も、特に就寝前に行うと神経を高ぶらせ、症状を悪化させることがあるため注意が必要です。これらの悪化要因を避け、バランスの取れた食事、適度な運動、規則正しい睡眠といった健康的な生活習慣を心がけることが、むずむず脚症候群の症状をコントロールし、薬物療法の効果を高める上でも非常に重要となります。
むずむず脚症候群の症状を悪化させる要因と対策