だるさ、頭痛、肩こり、冷え、食欲不振…。夏の冷房が原因と思われる様々な体調不良、いわゆる「エアコン病(クーラー病)」の症状に悩まされた時、どの診療科を受診すれば良いのか迷うことがあるでしょう。エアコン病は正式な病名ではないため、特定の専門科があるわけではありませんが、症状に応じて相談できる診療科があります。まず、最も一般的な相談先は、内科またはかかりつけ医です。内科医は、全身の様々な症状に対応しており、エアコン病による体調不良なのか、それとも他の病気(例えば、夏風邪や感染性胃腸炎、あるいは甲状腺機能異常症など)が原因なのかを、問診や診察、必要に応じて血液検査などを行い、総合的に判断してくれます。症状を和らげるための対症療法薬(例えば、頭痛薬や整腸剤、ビタミン剤など)を処方してくれたり、生活習慣の改善に関するアドバイスをしてくれたりします。もし、症状が特定の部位に強く現れている場合は、それぞれの専門科の受診も検討されます。例えば、頭痛やめまいが主な症状であれば神経内科、肩こりや腰痛、関節痛などがひどい場合は整形外科、鼻水や咳、喉の痛みといった呼吸器症状が長引く場合は耳鼻咽喉科や呼吸器内科、下痢や便秘といった消化器症状が続く場合は消化器内科などが考えられます。また、エアコン病の背景には自律神経の乱れが深く関わっているため、気分の落ち込みや不安感、不眠、イライラといった精神的な不調が強く現れている場合は、心療内科や精神科が適切な相談先となります。これらの科では、カウンセリングや薬物療法などを通じて、自律神経のバランスを整えるための治療が行われます。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずは内科やかかりつけ医に相談し、症状を詳しく伝えて指示を仰ぐのが良いでしょう。自己判断で我慢したり、市販薬だけで済ませたりせず、つらい症状が続く場合は早めに専門医の診察を受けることが大切です。