リンパ節炎が疑われる場合、医療機関ではどのような流れで診断が行われ、どのような検査が必要になるのでしょうか。まず、医療機関(主に内科や耳鼻咽喉科など)を受診すると、医師による詳しい問診が行われます。いつから、どの部位のリンパ節が腫れているか、腫れの大きさや硬さ、痛みの有無や程度、他に症状(発熱、喉の痛み、咳、鼻水、皮膚の発疹、体重減少、寝汗、倦怠感など)はあるか、最近風邪をひいたり、ケガをしたり、虫に刺されたりしなかったか、ペットを飼っているか、海外渡航歴、既往歴、服用中の薬などを詳しく聞かれます。この問診は、リンパ節炎の原因を推測する上で非常に重要な情報となります。次に、身体診察です。医師は、腫れているリンパ節の場所、大きさ、数、硬さ、可動性(周囲の組織とくっついているか、動くか)、圧痛(押したときの痛み)、そしてリンパ節の上の皮膚の状態(赤み、熱感、傷など)を注意深く観察し、触診します。また、原因となっている可能性のある感染源(例えば、喉の赤みや扁桃腺の腫れ、耳の中の状態、皮膚の傷や発疹など)がないかも確認します。これらの問診と診察から、ある程度の原因の方向性がつけられますが、さらに詳しく調べるために、いくつかの検査が行われることがあります。代表的な検査としては、「血液検査」があります。白血球数やCRP(炎症反応の指標)を調べることで、炎症の程度や感染症の有無(ウイルス性か細菌性かなど)を推測することができます。また、特定の感染症(例えば、伝染性単核球症の原因となるEBウイルスや、猫ひっかき病の原因となるバルトネラ菌など)に対する抗体検査や、自己免疫疾患に関連する自己抗体の検査などが行われることもあります。必要に応じて、「画像検査」も行われます。超音波(エコー)検査は、リンパ節の内部構造や周囲の組織との関係、血流の状態などを比較的簡単に評価できます。頸部や腋窩、鼠径部などのリンパ節の評価によく用いられます。CT検査やMRI検査は、より広範囲のリンパ節の状態や、深部にあるリンパ節、あるいは他の臓器の異常を調べるのに役立ちます。これらの検査でも診断が確定しない場合や、悪性リンパ腫などの悪性疾患が疑われる場合には、「リンパ節生検(リンパ節の一部または全部を採取して顕微鏡で調べる検査)」が行われることがあります。
リンパ節炎診断までの流れと検査内容