暑さで気分が悪くなった時、適切な飲み物を選ぶことは、症状の緩和と脱水症状の予防に非常に重要です。どのような飲み物が適しており、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。まず、最も推奨されるのは、経口補水液(ORS)です。経口補水液は、水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)、そしてブドウ糖が、体に最も効率よく吸収されるようにバランス良く配合されています。大量の汗をかいて脱水症状が疑われる場合や、吐き気があって食事が摂れない場合には、特に効果的です。薬局などで市販されています。次に、スポーツドリンクも選択肢の一つですが、糖分濃度が高いものもあるため、注意が必要です。糖分濃度が高いと、かえって胃腸に負担をかけたり、血糖値の急上昇を招いたりすることがあります。もしスポーツドリンクを選ぶ場合は、水で薄めて飲むか、糖分控えめのタイプを選ぶと良いでしょう。食塩水も、手軽に作れる水分・塩分補給の手段です。水1リットルに対し、食塩を1~2グラム(小さじ1/4~1/2杯程度)溶かします。少量の砂糖(大さじ2~4杯程度)を加えると、ブドウ糖がナトリウムの吸収を助けるため、より効果的になります。麦茶やルイボスティーといったノンカフェインのお茶も、日常的な水分補給には適しています。ただし、これらには塩分はほとんど含まれていないため、汗を大量にかいた場合は、別途塩分を補給する必要があります。避けるべき飲み物としては、まず、コーヒーや紅茶、緑茶といったカフェインを多く含むものです。カフェインには利尿作用があり、かえって脱水を助長する可能性があります。また、炭酸飲料や甘いジュースも、糖分が多すぎて胃腸に負担をかけたり、血糖値を急上昇させたりするため、熱中症対策の水分補給には適していません。アルコール飲料も、利尿作用があり脱水を招くため絶対に避けましょう。飲む際のポイントとしては、一度に大量に飲むのではなく、少量ずつ、こまめに摂取することです。冷たすぎると胃腸を刺激するため、常温に近いものが望ましいでしょう。