子どもの発熱と同時に発疹が現れる場合、多くはウイルスや細菌による感染症が原因ですが、それ以外にもアレルギー反応や薬の副作用(薬疹)などが原因となることもあります。様々な可能性を考慮し、正確な診断を受けることが大切です。まず、アレルギー反応による発疹として代表的なのが「蕁麻疹(じんましん)」です。特定の食べ物や薬剤、虫刺され、あるいは物理的な刺激(寒冷や温熱、圧迫など)に対するアレルギー反応として、皮膚の一部が突然赤く盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴います。発熱を伴うこともあれば、伴わないこともあります。通常、数時間から一日以内に消えることが多いですが、繰り返し現れることもあります。次に、「薬疹」です。これは、服用した薬(処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントなど)に対するアレルギー反応や中毒反応によって、皮膚に様々なタイプの症状が現れるものです。発疹の形は、麻疹様、蕁麻疹様、多形紅斑様、水疱様など多岐にわたり、発熱や全身倦怠感、リンパ節の腫れといった全身症状を伴うこともあります。特定の薬を飲み始めてから数日~数週間後に発症することが多いですが、すぐに現れることもあります。原因薬剤を特定し、中止することが最も重要です。また、「川崎病」も、乳幼児に発症する原因不明の血管炎で、高熱とともに、目の充血、唇の赤みやイチゴ舌、手足の腫れや指先の皮むけ、そして体に不定形な赤い発疹が現れるのが特徴です。首のリンパ節の腫れも見られます。心臓の血管(冠動脈)に合併症(冠動脈瘤など)を起こすことがあるため、早期の診断と治療(免疫グロブリン大量療法やアスピリン療法など)が不可欠です。その他、膠原病(例えば、若年性特発性関節炎の一部など)や、稀ですが血液疾患などが、発熱と発疹の原因となることもあります。このように、発熱と発疹の原因は様々で、中には専門的な検査や治療が必要な病気も含まれます。自己判断せずに、必ず小児科を受診し、医師の診察と指示を受けるようにしましょう。