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子どもへのインフルエンザ予防接種効果と2回接種の理由
子ども、特に乳幼児は、インフルエンザにかかると重症化しやすく、中耳炎や気管支炎、肺炎、そして稀には脳炎・脳症といった重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。そのため、インフルエンザ予防接種は、子どもたちをこれらの危険から守るために非常に重要な手段です。子どものインフルエンザ予防接種の効果としては、まず、発症をある程度抑える効果が期待できます。そして、もし発症したとしても、高熱や咳といった症状を軽くしたり、回復を早めたりする効果、さらには重症化や合併症を防ぐ効果が認められています。保育園や幼稚園、学校など、集団生活を送る子どもたちは、感染症が広がりやすいため、予防接種による集団免疫の効果も重要となります。多くの子どもがワクチンを接種することで、集団内での流行を抑え、結果としてワクチンを接種できない年齢の低い赤ちゃんや、免疫力の弱い子どもたちを守ることにも繋がります。日本のインフルエンザ予防接種では、生後6ヶ月から12歳(13歳未満)の子どもに対しては、通常2回接種が推奨されています。なぜ2回接種が必要なのでしょうか。それは、子どもは大人に比べて、一度のワクチン接種だけでは十分な免疫(抗体)が作られにくいと考えられているためです。1回目の接種でまず免疫の基礎を作り、2回目の接種でその免疫をより確実なものにする(ブースター効果)ことで、より高い予防効果が期待できるのです。接種間隔は、通常2週間から4週間空けるのが望ましいとされています。13歳以上の子どもや大人は、通常1回接種で十分な免疫が得られると考えられています。ただし、基礎疾患がある場合など、医師の判断によっては2回接種となることもあります。ワクチンの種類や接種スケジュールについては、必ずかかりつけの小児科医とよく相談し、適切な時期に、適切な回数の接種を受けるようにしましょう。また、予防接種と合わせて、手洗いやうがい、咳エチケットといった基本的な感染予防策も、日頃からしっかりと行うことが大切です。